横浜観光なかはらタクシー

TX4

TX4の独り言
第1話~第10話

 毎日毎日、路上で様々なお客様と出会い、いろいろな事が起こります。 仕事としてクルマを運転すると、走る距離や時間が半端なく長いので、これまた色々な事が起こります。 そんな日々の運転席から見える景色、印象に残るお話など、つらつら思うがままに書き留めています。
TX4君の独り言を聞いてやって下さい。



第1話 酔っ払い最強伝説

2017/01/10 累積走行 166,652km

 昨年の話になりますが、12月22日、クリスマス&忘年会で大盛況の深夜の街には微酔いからグデングデンまで沢山のお客様がタクシーを待っておられました。 普段は空車のタクシーで満杯の桜木町駅乗り場も、タクシーは空っぽ。 逆にお客様がタクシー待ちで並ぶという状況でした。 私も乗り場のお客様をお待たせしてはいけないと、持ち場意識に燃えておりました。

 そんな折、時間は24時頃でしたか、西戸部からの帰りは紅葉坂・音楽通り経由で乗り場に急行していると、花咲町2丁目の交差点手前で男女3人組のお客様が。 だいぶ呑んだ後でしょうか、2次会?3次会でしょうか? いつものように窓を開けて

私:「どうぞ~ドアを手で開けてお乗り下さい~」
客:「開かないよ~」と、しきりにドアノブをガチャガチャ
私:「いやいや、ここ(助手席)は乗れませんから、後ろの客席へどうぞ」

 その一瞬、お客様の顔が「あれっ? えっ!?」という表情に変わったのでした。 折れてしまったんですね、ドアノブちゃんが。私はこの一瞬の表情の変化を見逃したのです。  おそらくですが、お客(敬称略)は折ってしまったドアノブを、マズいと思ったのでしょう、私に告げずに路上へ捨てて何食わぬ顔で乗ってきたのです。 翌日の出庫前点検で私は、唖然ぶっこく事になりました。(T-T)
 ちょうど折良く、上海出張中の総代理店O氏から電話。 ドアノブを手荷物で持ち帰るようにお願いしました。翌日には新品のドアノブが私の手元にあるという、 ロンドンタクシー史上最速の上海特急、部品調達最短記録となりました。

捨てる神あれば拾う神あり

 まあ、ドアノブが無ければ物理的に助手席ドアは開けられませんから、それはそれで結構な事。 しかし、あの客(敬称略)!! ドアノブ1本12,000円、請求書は用意出来ているので、また乗って下さいな。(爆笑)




第2話 夜景?カケイ?家系?

2017/06/12 累積走行 186,133km

昼下がりの桜木町駅。若い大学生風の男性が2名ご乗車。

客A:「あ”~~腹減ったぁ~~」
客B:「ラーメン喰いてぇなぁ~~」

相当、空腹のご様子です。

客A:「なあ、夜景ラーメン喰いてぇ~~」
客B:「夜景ラーメン? なにそれ?」
客A:「横浜へ来たら、夜景だよねぇ運転手さん!」

??夜景?ラーメン??なんじゃ?そりゃぁ?? 夜景がきれいなラーメン屋のことかな??知らないけど・・・

私:「夜景ラーメン、ねえ・・・」
(参ったな、何だこの振られ方は!)
客A:「横浜へ来たら、夜景ラーメンですよねえ!」
私:「は、はい・・・」

客B:「なあ、夜景ラーメンって何だよ~」
 (を~~良い質問だ)
客A:「あれ?~有名じゃん、吉村家とかさ~年中大行列だぜ」
客B:「え??あれカケイだと思ってた。ヤケイなんだ~」

もう、ひっくり返りそうになりましたよ。あまりの事に。 「それを言うなら家系(いえけい)だよ!!!」って喉元まで来ました。本当に。 お客さんに恥をかかせちゃいけません。グッと堪えて・・・ハンドルを握るワタシ。

私:「夜景ラーメン、美味しいっすよねえ~~ははは」

乾いた笑いって、こう云うのですかねえ。



第3話 桜木町のアイドル

2017/06/16 累積走行 186,870km

 2017AKB総選挙は沖縄で大荒れ模様になったようでして。寂しいのは名古屋勢の振るわないこと・・・。 ふと、桜木町にもアイドルが居たな~なんてね。
 22時を過ぎると桜木町駅は終電までの間、ちょっと寂しくなります。 そんなアイドルタイムに“アイドル"様は乗ってきます。 乗り場から直ぐそこに見えるギリギリ730円の至極真っ当な温浴施設まで。従業員の方かな? 通称「万ばばあ」と愛を込めて呼ばれる、乗り場では有名なお客様です。 さて、乗り場先頭で待機していると・・・いらっしゃいました、万婆様。 隣に並んで待機している2番手のM氏は、こちらに合掌して深々と一礼。(乗せてくれて有り難う、と)

私:「はい、どうぞ~~どちらまでお送りしますか?」
  (分かっていても必ずお聞きするのはルールです)
万様:「○○○までお願いします。」
私:「かしこまりました。いつもありがとうございます。」
  (・・・発車~)    

 しかし、隣のM氏の合掌が忘れられませんね、ったく・・・。
まあ、クヨクヨしても仕方有りません、きちっとお仕事して“アイドル”様は下車。 駅への帰り道は赤レンガを回って戻るのが普通なんですが、この時は何を思ったか、交差点でクルッと反対に回ってランドマーク方向へ。

 ひと気の無い桜通りを行きますと、ホテルのロビーも静かです。 ホテル待機のタクシーも暇そうにこちらを眺めています。 何を想うのか同業の君よ。ランドマークの交差点で停止信号。
 コンコン!と窓を叩く音に振り返ると、ドア横に初老の男性が立っています。  

男:「乗れる??」
私:「どうぞ~~ドアを開けて乗って下さい。どちらまで??」
男:「保土ヶ谷バイパスの下川井って判るかね??」
私:「はい勿論、みなとみらいから高速に乗りますか?お急ぎなら・・・」
男:「はい宜しくね」 

結局、瀬谷の東野で7,500円!! この日もバッチリ目標クリア。 来たよ来たよ~~やっぱりアイドル、女神様のおかげでした。
(憧れ・・・では無いですが)



第4話 仁義なき戦い??

2017/06/19 累積走行 187,277km

 “仁義”なんて言葉、なんか古臭くてイマイチ好きじゃ無いんですが。

 横浜の道路は狭いです。本町通りも鎌倉街道も震災復興から道路幅員は変わっていないでしょう。 あっ、震災と言っても東日本のそれでは無くて、関東大震災(大正12年9月1日)の事ですぜ。 そこへ持ってきて違法駐車のクルマが多数。支障物多数でございます。 お客様をお乗せするために走っているタクシーですから、2車線有ったら左側を走るのが常道なんですが、私は右車線が好き。 空いている左車線を空車の法人タクシーさんがビュンビュン走ってきて、右にいる私は抜き去られます。(爆笑)  で、お客様が立っていれば“パクッ”といかれます。(泣) 新人だった頃は先輩からよく言われたものです。

「タクシーの掟! 実車最優先!!実車の進路を妨害するなよ。」
「空車の時は絶対に他の空車を抜くなよ」
「空車の尻に着いたら、次の交差点で曲がれよ!」
「先回りして客を取ろうなんて言語道断だからな。」 とね~。

 面倒くさい掟ですが、今でも頭にこびり付いています。 時代は変わり(大げさな)、そんなタクシールールは何処へやら?   そりゃそうですよ、いくら走ってもお客様に巡り会えない不景気続きです。 無理をしても稼ぎたい、稼がにゃならん事情もあるわけです。 “仁義なき戦い”ですか・・・ 古臭~いながらも、しみじみ思い出すのです。

 私は左車線を走るよりも右側にいた方が走行上はなんぼか気が楽。 頻繁な車線変更は事故のもとだし。ぶつけたら高く付くし。 目線が高い運転席からは遠くまで見えていて、お客様を探しながら、フェンダーミラーを常に意識しながら走ります。 それらしき人影が見えれば左車線に遷移しようと・・・そんな時、左後ろにバイクが走ってきて、いやなポジションだな~と思った瞬間

「あ! お客さんだ!」

お客様も手を上げて~、そこを華麗にスルーした事は何度もありますね~。左車線へハンドルを切ったら最後、人身事故です。(を~怖い)

安全の確保は輸送の生命である。

左側は仁義なき方々にお任せして、悠々と右側走行しています。 タイミングの悪かったお客様には申し訳ないのですが、次回のご利用をお待ちしております。



第5話 乗り心地、悪いですよ

2017/07/03 累積走行 189,079km

 夕刻の桜木町駅乗り場。
あ、駆けてくる。お客さんがこちらへ向かって走ってきます。

「あー、やっと乗れた! 乗りたかったんだ~この車」

 ありがたいですねー。こんな言葉を掛けて下さる方は!! でもね、私はこう言います。

「乗り心地、悪いですよ~。」

 2~3日前の事です、無線で某料理屋さんへお迎えに行った時です。 お店の前でしばらく待機していると、やがてゾロゾロとスーツ姿の7~8人の方々が出てきました。 お土産を手渡されて、ゲストでしょうか立派な紳士が全員最敬礼のお見送りを受けて乗ってきました。

客:「緑園まで行ってくれる?」
私:「かしこまりました」
客:「何?この車は??」
私:「イギリスのタクシー専用車両です」
客:「はぁ~、、、乗り心地悪いクルマだねえ。」

そら!来なすった! 私の中で「降ろせ、降ろせ」コールが聞こえてきます。

私:「それは大変申し訳ございません。直ぐに替わりのお車を手配致しますが。」
客:「いいよ、いまさら。行ってよ、しょうがないじゃん、いまさらさー。」
私:「申し訳ございません」

車内に冷たい沈黙が広がります。空気が一変して、ひや~~っとした雰囲気。 参ったな~この空気で泉区緑園はシビレルぜよ。

客:「ゴツゴツ硬いんだよ、こんな車に乗ってさー。」
客:「個人タクシーなんだからさ~、こんなの無いんじゃないのー?」
客:「乗り心地の良いクルマを使いなよ~、趣味でやっているんでしょう、これ」

もう、受け流すしかありません。

私:「やっぱり、クラウンですかねえ」
客:「レクサスとかにしろよ~、商売なんだからさ~。」 

こういう人って、徐々に発言が過激な方向へ行くんです。 言っている内容も必ずしも当たっていないとも言えないわけで、心底参ったりするんですよねえ。 心底と言えば、開業直後の頃、或るブログに「長距離乗らない方が良いです、心底後悔します。」と書かれて、酷く落ち込んだ事もあったっけ。 6年経った今じゃ何を言われても馬耳東風。(笑)
 車選びは個人タクシーの一番大事な部分なのだ、と本当に悩みます。 アルファードなら良いのか?クラウンならいいのか?どれも一長一短あります。 黒のピカピカの日産フーガに乗っている先輩が、

「こういうクルマに乗らなきゃダメだよ、黙って1000万円は出来るよ」

 と自慢していたのが忘れられません。 こんな事を言われると、子供達もまだ小さいし、たくさん稼ぎたいと心が揺れて胸をかきむしります。 明日のご飯に困っているわけでも無いのに、何故こんなに心乱れるのでしょうか。
 確かに、ロンタクを選択したのは「これだ!!!」という衝動買い以外の何物でもありません。 試乗で乗り心地の硬さは知っていたし、それこそ何を今更です。 もうじき20万キロ。 「これしか無い」と惚れて使い始め、使い込むうちに便利さに感心し、 他に代わるクルマなど日本に有るわけ無いのに、無い物ねだりに欠点探し。 全くダメダメな私です。

今日の或るお客様。

客:「良いクルマですねえ~」
私:「ありがとうございます!」
私:「乗り心地は悪いですけど」
客:「確かにガタピシ云うけれど、良いじゃない、良い記念になるよ~」
私:「恐れ入ります、有り難うございます。」

 車内は笑い声に満たされて、やがて満面の笑みで下車されるお客様。  ありがたい、本当に有り難いです。




第6話 新しいロンドンタクシー

2017/08/21 累積走行 193,908km

TX

 新しいロンドンタクシーの全貌が見えてきました。 コヴェントリーのイギリス本社では新工場が落成して本格的な生産に入ったそうです。 情報がポツポツ入り始め、仕様も落ち着いてきた様子ですのでここに記してみようと思います。

1.PHEV
電車好きにはたまらない要素ですね。 高性能な大型リチウムイオン電池搭載で電気航続距離も伸びているとか。

2.外観は高級感有り
先ずデカい。 おそらく1900mmは超えているであろう車幅。 大きな車体は軽量化対策でアルミボディを採用していますが、ぶつけた時の修理代が怖いですね。 外観は最近評価の高まっているVOLVOに通じる(同じ会社だから当然か?)高級感、気品をまとったボディです。 ぱっと見は高級なエルグランド?みたいに見えましたが、よーく見てみると従来のロンドンタクシーに特徴的な デザインを随所に残していて、TX4に惚れた私の眼鏡に叶う出来映えと言えます。 客用ドアはFX4時代の観音開きに戻りました。 ルーフは大きなガラス天井!!(夏は暑いかも?)

3.広い車内
大きい車体はそのまま客席と運転席の拡大につながり、キャビンは3人ずつ向かい合わせで6人乗車です。 車イスは前向きに固定出来るそうで、これで日本のUD規格に適合という事になります。 しかしUDタクシーを示すあのマーク、ボデーに貼りますか?貼らないでしょう。(きっぱり)  お客様サービスの向上点は、お客様が使えるデジタルエアコン、車内wi-fiが搭載されたことと、USB電源プラグが設けられた事ですか。

 まあ、問題は価格ですね。 中身はほぼ一緒と言われるVOLVOのXC90は780万円でしょ? いくらくらいに落ち着くのでしょうかねえ。 中原タクシーとして導入出来るのは何年後になるでしょうか? すごく乗ってみたいですね。



第7話 観光タクシーってやっぱり

2017/09/05 累積走行 195,887km

 すごく面白い。

 お客様は京都からお越しになった某業界団体のお仲間8名様でした。 横浜個人のガイド仲間、田内タクシーとの2台口です。 個人の同僚と組むのは初めての経験です。 田内さんは観光2回目。 緊張しているご様子は感じられませんでしたが、本人曰く「バクバク」だったそうです。

 夕刻15:30からの2時間コースで、新港ふ頭→赤レンガ倉庫→日本丸→氷川丸→外人墓地→中華街というコース。 船が大好きで中まで見学したいというリクエストです。 玄人筋の方なら大凡想像出来ると思いますが、時間的に大変厳しいリクエストですよね。 日本丸も氷川丸も、中身30分では駆け足進行です。 しかも出発時刻が遅い。 最初の日本丸で出遅れたら、次の氷川丸の最終入場16:30に間に合いません。 おまけに両船ともガイド入館は無料ではありませんので、お客様を放すことになります。

 ガイドは基本的に【突放禁止】です。

 お客様を自由に放したら何時帰ってみえるか分かりません。 時間の管理もガイドの重要な仕事の一つですから、突放は厳禁なのです。 内心冷や冷やしながら15:45、日本丸の切符売り場でお見送りしました。

「遅くとも16:10にはここを出発しますので」
と、念を押して送り出したのですが・・・・

 案じたとおり、日本丸出発は16:20になってしまいました。 快速進行で山下公園へ走り、マリンタワー前のタクシーベイに車を留置して氷川丸へ引率しますが・・・。 氷川丸のゲートは半分閉まり、警備員の若いお兄ちゃんが立っています。 時刻は16:34でした。

私:「すみません、数分遅れてしまいましたがお客様たってのご希望です、8名様入れてもらって良いですか?」
警備員:「だめです。」
私:「お願いしますよ~だめですか?」
警備員:「だめです!」

 お客様も警備員に懇願しますが、ケンモホロロの冷たい対応です。 まあ、遅れた原因はお客様自身にあるわけで、入場出来ないのも止む無しの雰囲気。 問題は氷川丸見学の時間が丸々余剰となるわけですね。 こういう時こそガイドの本領発揮です。

 氷川丸単独のガイドに20分掛ける

 船好きのお仲間です、相手に不足はありません。 氷川丸の外観をお見せしながら、スペック、内装、乗客などあらゆる知識を総動員で船内に入ったかの如く話を展開します。 関西人が相手ですから所々笑いを散りばめて差し上げれば、お客様達は目を輝かせて話に聞き入ります。 そうこうするうち20分など過ぎてしまいます。
 最終は中華街善隣門前に17:33に到着。 ほぼ時間通りに纏められたのには、田内さんも驚かれていました。 まあ、何とでもなるものです。 しかし、これが出来る人、なかなか居ないんですよ。

翌日、お客様からお礼の電話を賜り、ホッとしました。



第8話 小田急の火事で思うこと

2017/09/13 累積走行 196,848km

 小田急電車が沿線火災で延焼食らった事件、大々的に報じられていますが、何の関係も無い部外者ですが思うところをひとくさり述べさせて頂きやす。 電車に限らず私を含めて箱物を運転する人達ってのは、安全だとか法令遵守だとか踏むべき手順だとか常に言われるし、 否応なく無意識に身体が動くレベルで訓練を積んでいるってモノです。 特に、赤いモノには即応体制が出来ているんですわ。赤信号にしろ今回は「火」ですか。 当該運転士さんは『煙は見たけんども火は見てねぇから』って火災とまでは認識していなかったようで。 至極もっともですね。 普通は前がバッチリ見えて、信号が見えて、線路上に支障物が無ければそのままGOですわね。 一方では火事に対応していたプロ達も活動していたわけです。 消火活動の支障になるし

 「走らしたままじゃ危ねぇから電車を止めようぜっ」

てな事で衆議一決、近くにある踏切の非常ボタンを押したわけですね。 火事にはプロでも電車の事は素人なわけで、とにかく非常ボタンを押せば電車は止まるだろうと“漠然と”考えて操作したんじゃないですかねえ。 無理も無い事です。
電車は押されたボタンで自動的に非常手配され『え?なになに?』って感じで停止。 タイミング悪く火災現場に停車します。 乗務員には火災の認識がありませんから非常信号は前方の踏切支障だという認識で、踏切の安全確認に走り、 その8分間で電車に延焼という最悪の事態に進行してしまいました。

 私思うに、非常に運の悪いケースであったけれども、システムに問題なかったの?と言わざるを得ませんね。 小田急は非常ボタンが押されたら電車に自動的に非常ブレーキが掛かる仕組みになっていたわけです。 つまり、非常停止という行為が運転士の意志では無く、素人の意志に委ねられていたという点です。 さらに、非常ボタンの解除に一手間二手間あって、素早くケースクローズに出来なかったのも事態を悪化させました。 電車を止めた側の当事者も、当該乗務員に素早く事態を知らせることが出来ていたのか、 電車が止まれば『あ~良かった』で終わっていたんじゃないかな~って勘ぐったり。 8分って時間にも違和感がありますが、フツーこんなモノなんでしょうか? 人身事故で轢いちゃったけれど、駅構内だったんで、職員総出で『どっこいしょ』って仏さんを脇へどけて 4分で運転再開って某K社の伝説もありますからねえ。

 しかし、これらほぼ一般的になっているシステムでして、たとえば駅ホームの柱にある非常停止ボタンなんかもその類いです。 急カーブの手前で自動的に減速出来るようにATSを改造しろとか、国の主導でシステムにあれこれ口出し始めてからこういう傾向です。 まあ、尼崎の事故とかデカイ山を踏んじまった業界ですから、言わば身から出た錆みたいなところですが、 鉄道会社はお金も潤沢にあるわけで上目遣いで忖度に走っているのでしょうか。

 だいぶ以前ですが、阪急京都線の特急に乗っていて、勿論先頭かぶりつきの特等席で走りを眺めていた時、 一直線の線路を気持ち良~く高速走行中に突然非常ブレーキが掛かるんです。 急減速中に今度は自動緩解、やれやれと走り始めると非常ブレーキ、走ってはまた非常ブレーキ。 一体これは何が起きているのか?理解するのに一寸間が必要でした。

 そう、踏切の障害物検知システムと非常ブレーキが連動しているのです。

 踏切が鳴動を始めてからクルマなり人なり、それ相当の大きい物体が検知ビームを切れば、システムが支障ってことで赤信号が出ます。 出れば有無も云わさず自動で非常停止手配というのが阪急流のお考えのようです。 これって運転士が信用されていないシステムなのかぁ?って勘ぐりたくなりますよねぇ。 前述の通り、運転士は赤を見れば「おやっ?」と思う→ブレーキ手配→停車→安全確認→運行継続って流れで事は進むわけですが、 「おやっ?」と思う間に非常手配せんか!ボケッ!!と突っ込まれているようで気分良いものじゃぁーありませんやね。

 その昔、京急の乗務員教習所へお邪魔して見学した時に、モノホンの電車の模擬運転装置を操縦させてくれた事があったんです。 まさに運転士気分、快調に飛ばしていると『信号喚呼なんか本物だねえ』って社員の皆さんから声援が飛びます。 そんな次の瞬間!踏切に人が入ってきました!!「うわぁ!!」と思って非常手配したんですが、轢いちゃいました。

 「あんたは遅いねえ、それじゃぁ運転士は無理だよ」

って鼻で笑われました。 直前横断ですからどうせ轢いちゃうんですが(笑) 、問題は飛び出し認知からブレーキ手配までの反応時間が“1.5秒”だったことです。 これじゃ遅いわってんで訓練を積むんです、運転士って。

 非常ボタンは、「非常停止ボタン」ではなく「非常報知ボタン」であるべきだと私は思います。 止まる止まらないは、あるいは止まる場所も含めて、あくまで責任者たる運転士の意志で決定されるべきじゃないですか。 当事者皆がシステムに頼り切って、思考を鈍らせていたら簡単に危険の罠に嵌まるんだという事。 自動運転バスやタクシーなんかが実験段階にある昨今、お猿の電車やお猿のタクシーになるのは御免被ります。 て言うか、もうそういう時代に入っているって事でしょうかね。 くわばら、くわばら。



第9話 路上は猛獣だらけ?

2017/10/16 累積走行 200,612km

 東名高速で夫婦2人が亡くなった例の「あおり事故」は連日報道の通り悲惨な出来事でした。 ハンドルを握る商売においては、走行距離の長さゆえ「危ないシーン」や「危ない人」に出くわす確率も高くなります。 さすがに絡まれるような運転はしないように心掛けていますので、

『をい!ゴルァ~!止まれやぁ~~ぼけぇ~~!!』

等という場面は無いです。 しかし、「この人危ないなぁ~」という輩は沢山いて、もう極力距離を置いて関わらないポジション取りを行います。

・まず速度を出しません
 競うような走り方は絡まれる原因を作っているようなモノです。

・割り込みしません、基本
 必要に迫られて急な車線変更を行わなくてはならないシーンはどうしても出てきます。 でも、無理に入らず、譲られるのを待ちます。 入れてもらったら、きちんと挨拶で返します。

・車間距離を取ります
 車間距離は自分に対する保険です。 何があっても回避しなければならないのです。 ロンドンタクシーは急に止まれません。 市バスと同様で急停車による車内人身事故は御免被ります。 後方の車間は後続車の全面的な責任ですが、煽られれば当然回避します。 また後部カメラで一部始終を撮っていますから、即通報出来る体制になっています。

・他人の運転にケチを付けない
 自分の運転なんて他人様に比べて上手いモノじゃありませんし、意見なんて出来ません。 それにルールだ法規だなんて言っても、それぞれの規範意識に依存するわけで守る守らないは相手次第。 そもそも飲酒で出来上がっていようが薬でキマっていようが(爆笑)、こちらは知った事じゃありませんし、避けて通るしか方法がありません。 規範遵守は自分に向ける物で、他人にぶつけても仕方ないです。

 これらから見えてくることは、、、
1.危ない人は追い抜かれるのが嫌い
2.危ない人は他車を前に絶対に割り込ませない
3.危ない人は車間を詰める、煽る、寄せる
4.危ない人は他人に厳しく自分に甘い(全員か!爆笑)

このポイントを把握すると絡まれることは減ります。では、何故?危ない人が路上に溢れているのでしょうか?
それはまず、

・国民皆免許の是非を議論しよう
 明らかにダメでしょ?って人が免許を持っていませんか?

・高級車には気を付けろ
 世間はバブルの様相です。 おかしいですよ、こんなに高級車が路上に溢れている現実は。 その高級車に乗っている方々に、危ない人が多いのです、これ肌で感じた事実。 東京、怖いもん!

・人間の生理的必然
 車に乗ると高揚感が起きます。 脳の中に興奮物質がドバドバ出てきます。 よって、快楽、興奮、楽しい、そういった感情が芽生えます。 どんなに頑張っても、30km/hで走り続けられますか?自分の足で? それがアクセル踏めばグングン加速して、あっという間に100km/hですよ。 爽快!!当然脳は興奮します。 なんだか偉くなったような錯覚を覚えて、周りのクルマに迷惑を掛けても加害意識は皆無です。
職業ドライバーの熟練者は、興奮しないんですよ、これが。 運転が日常なんで、面白くも可笑しくも無いんです。 タダでさえ危険な路上ですし。

「もう早く売上揚げて、お家へ帰りたい~」 って思いますもの、本当に。

「アドレナリン?出ているかも知れないけれどね~腹減った」(笑) そんな感じ。飄々と日々路上生活~みたいな、いろんな人達がいるよね~みたいな脱力系な感じがよろしいようです。 クルマの運転は、その人の本性が出ます。硬いボディーに囲まれているからか、丸裸の本性剥き出しの人間が現れ、ハンドルを握っています。

路上はアフリカの大草原で、猛獣に囲まれて私らは仕事をしている、そんな感覚に陥る時がありますよ。



第10話 やっと終わったよ、選挙

2017/10/24 累積走行 201,192km

 タクシー運転手のタブー会話って有るんですよ。

1.野球の話はしない
お客さんの好きな球団と自分の好きな球団が違うことなんか、よくある話です。 横浜ですから地元ベイスターズのファンが多いのは当然ですが、案外他球団のファンも多いわけで、不用意にプロ野球の話に持ち込むと痛い目を見ます。

2.政治の話はしない
本日のお題。誰を支持しようが知った事じゃありませんが、この話題も不用意に受け答えすると痛い目を見ます。

 僅かな乗車時間ですから、大過なく過ごしたいものですね、お客さんも我々も。 上手くかわす術が運転手には必要ですね。 この選挙期間ってやつは政治の話題を振られまくって本当に困り果てるんですよ。 それと、桜木町という場所柄か、我らの目の前にある駅前広場で宣伝カーがガナリ立てる!

「○○でございますっ!!○○でございますっ!!よろしくお願い致しますっ!!」

 お客さんが乗って来られて行き先を告げますが、聞こえません。
「はあーーー?もう一度。。。」
「えー?すみません、聞こえないんで」
『はあ?』とか『え~?』とか言うワードは誤解を生じやすく禁止単語ですが、思わず出ます。 もう勘弁してよって。。。

 そしてもう一つの困り事は、、、売上がガタ落ちになること。

≪公職選挙法139条≫
 選挙運動に関し、いかなる名義を問わず、飲食物(湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子を除く)を提供することができない。 ただし、選挙運動の従事者や使用者に対し、候補者1人につき政令で定める弁当料の額の範囲内で云々。。。。 (いい加減な抜粋ですみません)

 飲食店を見渡すと、選挙期間中は見事にガラガラです。 選挙買収行為と紛らわしい、疑われやすい、刺されやすい、飲食行為は一番わかりやすい買収行為なのでしょうかね? 飲食店さんの景気と連動しているのがタクシーの乗客数で、これが見事に減るんです期間中は。 売上、半分だもの。 しびれますよ~、マジで。 桜木町駅だって、『Why?』ってくらいにお客さんが減ります。
街の運転手は、選挙が終わって本当にホッとしているんだろうと思います。 私も、売上挽回に向けて頑張らにゃなりません。
はぁ~~~。。。

TX4の独り言 第 1話~第10話

TX4の独り言 第11話~第20話

TX4の独り言 第21話~

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