車両整備手帖 2025年
マーガレット編
2025/01/10 累積走行 122,716km
岡崎の石原ラジエーター工業所さんから、製作を依頼していた新品ラジエーターが届きました。
待ちに待った到着です。
6日朝、出庫しようとボンネットを開けて見ると、パテで補修した部分がパックリ割れて、
赤い冷却液の流れ出た痕跡が。。。
出庫、出来んやん
昨年末30日から連続稼働に耐えてきた補修ラジエーター君は、7日目にして昇天。
丁度そこへ、石原ラジエーターさんから製品完成の連絡が入ったのでした。
昨日9日に宅配便で届き、わくわくの開封検品をしました。
コアは銅製、サイドタンクは真鍮製なので、クリア塗装の「金ピカ」で来るのかと想像していましたが、
期待に反して真っ黒に塗装されていました。
持ち上げるとズッシリ重いです。10kg以上ありそう。
コアとタンクはバッチリ溶接で一体化されており、もう漏れの心配はありません。
概ねサンプル通りで、と言うか、少し横幅が5~6mm小さい仕上がり。
これには実は大喜びでして、エンジンルームの他の干渉部品にほぼ当たらずに、スッと入るということになります。
何でしょう、これは特に依頼した事ではないのですが、神様の御計らいでしょうか??
翌朝イチでラジエーターを脱着します。さ~て、配管を接続して本体を固定し、、、え?出来ないぞ。。。
下部はバッチリ嵌まりましたが、上部取付穴に寸法が合っていません。
ウワッ、エラいこっちゃ、ラジエーター上部の取り付けボスが左右とも6mm程外で、
車体の取付ステーの穴に全く入らないのです。
これだけの大ズレだと、叩いても入りません。てか、叩けませんが。。。
暫く思案の末、取付ステーの穴の方を外側へ切削して拡張し、小判穴に仕上げ、何とか事無きを得ました。
冷却水を充填し、空気抜きと試運転を行います。
水温計の上がりはアルミラジエーターよりも遅い感じがしました。
また、下がり具合も少し遅い感じが。
銅は重いので、その分熱容量が多いのかなあ、などと素人考えで納得しております。
昨年11月末以来、大騒動となったラジエーターのパンクでしたが、
ここに目出度く完全終了となりました。
アルミコアとナイロンタンクのラジエーター構成は、必ず経年で劣化してカシメ部分から漏れを呼びます。
これは交換が基本のパーツということで定着していますし、価格もお安いので一般的です。
国産車は良いでしょうが、我々輸入稀少車に乗る身としては困ります。
今回は、一品物で丈夫な部品を製作してくれる専門業者に出会え、本当に幸運でした。
宣伝しておきます。ありがとうございました。
石原ラジエーター工業所
http://www.ishihara-radiator.com/
所在地: 〒444-0914 愛知県岡崎市末広町12-5
電話番号: 0564-21-4035
第95話 ゴールデンウィーク突入
2025/04/26 累積走行 128,703km
憂鬱なGWが始まりました。
お客様のご利用は普段より若干多くなるものの、
いつものメンバーで乗り場を回しているので、ご利用が多くなると直ぐに神奈川車両が不足します。
で、お客様からお叱りを受けたり、何故神奈川乗り場に車が居ないのか、など説明に追われる始末です。
一介の運転手を捕まえて苦情を述べても物事は変わりません。
火に油を注ぐことになるので、そんな正直な物言いはしませんが、ご理解を得るのは何とも面倒至極であります。
お客様をお乗せすれば、横浜であれば、およそ90分は羽田へ帰って来られません。
乗り場は4箇所、キャパは各2台。8組のお客様が来れば乗り場は空っぽ、待機プールも空っぽ。。。
GWは、正にそれが現実になります。
では、普段はと言うと、日に一度や二度は3時間待ちが発生します。
待機プールに着いてからお客様が見えるまで3時間ですよ。1~2時間の待機は普通です。
自慢じゃないが、5~6時間待った事だってあります。それも私だけではないです。皆、食らってます。
この長時間待機を持ち堪えられる気質を持ったタクシー乗務員がこの世界にどれだけ居るか、
想像に難くないと思います。
更に言えば、羽田空港定額運賃という “メーター破壊運賃” の存在があります。
空港定額運賃の激安設定は、本来の認可運賃であるメーター運賃から異常にかけ離れた激安価格。
この運用は、「国交省関東運輸局」とその天下り団体「神奈川タクシーセンター」の仕業でして、
現場を知らない、見ない、話も聞かないお役人達が作った制度であります。
私たち一介の乗務員は、羽田空港入構の条件として、高額な入構権料とこの激安運賃を強制されているのです。
3時間待たされて、5千円引きもある異常な割引を強制される乗務員は、普通は乗り場から離れて行きます。
当たり前です。
これは東京のタクシー車両も同様の悩みを抱えていますが、彼らは定額運賃を持たなくても入構は可能です。
これでは、羽田空港に神奈川車が寄り付かないです。
こちらは朝10時に始まって夜22時まで、12時間ぶっ通しで、ほぼ毎日羽田に詰めています。
神奈川車両の不足は、私を含め乗り場乗務員の働きが足りないからでしょうか?
一生懸命、安全輸送とお客様対応を怠りなく、プライドを賭けて乗務しております。
が、畏れながら我々ではどうにもならない、制度設計や運用に何か問題が有りはしませんか?
2025/01/24 累積走行 124,179km
ラジエーターの件は、丸一ヶ月半を要して無事完了しました。
が!
今度はミッションブローしました。(T-T)
前車チャーリー時代から、このミッションには泣かされていまして、なぜか125,000kmになると壊れるという。
無理させたわけでも無く、大事に扱ってきたのですが、過去全てこの走行距離で異常を出してきました。
TX4は、DSI社という、アメ車にミッションを供給してきたオーストラリアのメーカーですが、
そのモデル78という6速ATを搭載しています。
症状としては、恐らくクラッチ滑りか、トルコンの異常。
登り坂を上がらないのです。
正確に言えば、「元気に上がっていかない」。
アクセルを踏み込み2,200rpm以上のエンジン回転に達すると、恐らくミッションからであろう、
“ドガガガガガッ” という異常な振動が。。。
慌ててアクセルOFFで踏み直すと、本来はシフトダウンして下の段から吹け上がっていき登坂出来るはずですが、
ダウンもしない。。。
エンジンを2,000rpm程度で維持すれば、シフトアップしながら登坂するものの、時速は25km/h程度。
これでは首都高速の追越車線への本線合流は、いかに運転のプロでも厳しいです。
直ちに運休の措置をとり、只今対策を検討しております。
このミッションは壊れる物だ、という学習はしているので、M78関連のクラッチセットやバルブボデー等の部品達は
手元に用意してありました。いわゆる「オーバーホールキット」です。
問題は、このオーバーホールを実施してくれる業者さんを探すことと、何日運休しなければならないか、
これは痛いです。
まあ、マーガレットも「壊れるお年頃」とは言え、続くなあ。。。。
2025/03/03 累積走行 125,053km
オートバックス港町にて、オイル交換を実施致しました。
ミッション交換から復帰を果たしたマーガレットですが、どうもエンジンの具合がいけません。
エンジンの振動は日々激しさを増し、吹き上がらないのです。
そこで本日、西寺尾にあります「玉野自動車」さんへ入庫しました。
社長さんが親身になって相談に乗って下さり、とても温かい会社だなあ~という印象です。
ミッション交換でお世話になり、その流れではありますが、エンジンの調子も見ていただく事に。
ここのところ、羽田の待機場では運転手仲間に囲まれて、やれ音が五月蠅いだの、
壊れているだの、ご指摘の嵐に遭っていました。
まあ、調子が悪いのは本人が一番知っているわけで、相当不味いなあ、という認識を新たにしたのでした。
中でも最も参ったのは、ロンドンタクシーなんか諦めちゃえば、という至極真っ当なご指摘でした。
悪い仲間が私に耳打ちします。
「ホンダは壊れないぞ~良いぞお~。」
確かに、新車に乗り換えちゃえば日々の苦労は全て解決しますのでね。
しかし我が輩、もう愛着を通り越して 「執着」 の域に達しておりますので、
マーガレットを捨てるなど、想像すらつきません。
また暫くの間、ぷ~太郎になります。
マーガレットが無事に帰ってくることを祈りつつ。
2025/03/23 累積走行 125,086km
マーガレット、玉野自動車さんから帰ってきました。
エンジン不調の原因は、4番インテークバルブのロッカーアーム折損でした。
聞けばこの故障、他のTX4でも発生した事例があるとか。
思い起こせば、我が家初代のチャーリー君はカムシャフトの摩耗損傷でした。
ヘッド回りの耐久性、ヤバいんじゃね??
三菱の設計図で作られていても、材料の質や加工精度が悪ければ、そりゃあ色々起こるよねえ。
さすがは中国、という訳でした。
今回、岩本モータースさんから特別アドバイスを頂戴しまして、
故障箇所の断定に至りました。
随分時間は掛かってしまいましたが、あとは完全修復を目指して再入庫となります。
本日気温は23度。季節は、もうすっかり春ですね。
というか、暑くて堪らん。
つい二日前はストーブをガンガンに点けていたのにね。
23度って、こんなに暑かったかねえ。。。
この先が思いやられます。
2025/04/14 累積走行 126,716km
エンジン不調の原因であるロッカーアームの折損は、結局エンジンの載せ替えという結論に至りました。
故障コードとしては、P303とP300で“失火”という症状でした。
2200rpm以上になると、かなりの振動を発していたので、エンジンは3発で動いているのだろうな、
と想像できました。
まず疑ったのは、3番のインジェクターでした。
交換したのですが、治りません。
次いで各気筒の圧縮を診てもらったのですが、異常なし。
ヘッドカバーを開けて点検した結果が、ロッカーアーム折損だったのです。
故障発生からかなりの距離を乗っていたので、
エンジン全体に相当無理が掛かっていた事は想像できました。
多摩センターにある修理工場は、斯界では有名な工場でして、
載せ替え作業はこちらで実施致しました。
中古の出物エンジンが見つかったので、緊急入院となりました。
移植には約一週間を要しましたが、
補機類も含めて手を入れてもらい、万全な状態に戻りました。
さて、退院から一週間。
ECUの学習もほぼ終わった感じで、快調に走っています。
思えば、入院前は相当ガチャガチャ音を発していました。
これからは、異音を感じたら早めにお医者さんへ行くように心掛けます。
2025/04/15 累積走行 126,743km
玉野自動車にて三ヶ月点検を行いました。
エンジン載せ替えから全く日が経っていないので、
オイル関係の交換など一切無し。
前輪ハブに多少のガタが来ていたので、締め込み調整で終わりました。
2025/05/15 累積走行 130,210km
大栄交通にてオイル交換。
今回はエレメント交換は無し。
大栄さんのご都合により、予定より一週間遅れでの作業となりました。
前回交換からインターバルは6,000kmで、ちょいと遅すぎ。
いつもの「オイール」も入れまして、快調。
2025/06/05 累積走行 134,207km
境之谷のタイヤレスキューさんにてタイヤ交換。
台湾のNANGKANG製CW-20をずっと使ってきましたが、
一昨年頃から入手困難状態になってしまいました。
タイヤECサイトで有名な“オートウエイ”さんにお願いしていたのですが、
取り扱いを止めてしまった様子。
そんなわけで、今回は偉大なるC国製「HIFLY SUPER2000」なるタイヤ一択になってしまいました。
ご覧の通り、見るからに無骨そうな出で立ちでしょ?
如何にもトラック用です!みたいな。(笑)
まあ、ロンドンタクシーの下回りは、トラックそのものなのでね。
お似合いというか、実にしっくり来るフォルムと相成りました。
肝心の乗り心地ですが、流石にゴーゴーと五月蠅いですね。
グリップは上々ですが、それも新品のうちかなぁ?
これから雨のシーズンになりますね、ウエット性能も気になるところです。
やっぱり、新品タイヤは気分が良いですね!
2025/06/10 累積走行 134,988km
スーパーオートバックスで、オイル交換&エレメント交換。
前回交換から約5,000kmでした。
オイルもエレメントも真っ黒。
というのも理由があって、この間、ちょいと燃料添加剤を試していまして、
これなんですが。
以前、有名なワコーケミカルさんの「Fuel-1」は入れたことがあったのですが、
何も変わらないというか、こんな物なのかなぁ~程度の感想しかなかったわけです。
ところが、このAZさんの「FCR-062」ですが、入れた途端に走行フィーリングが激変しまして、
何かヤバい、エンジン回転が軽い、加速力が爆上がりしたのです。
本来、この様な大変化は “あってはならない” 物かも知れません。
一寸したカーケア的な乗りで試してみたのですが、燃料添加剤でこの様な体感差が生じると、
逆に恐怖すら感じてしまいます。
エンジン、壊れたらどうしよう・・・
って言うくらい劇的変化。
マーガレットの稼働状況は、いわゆるシビア・コンディションです。
3時間もアイドリングで待機し、お客様が乗車したら首都高速をビュンビュン走る。
一日走行約200km、稼働11時間うちアイドリング7時間みたいな。
今回、燃料添加剤FCR-062使用後のオイル&エレメント交換により、
エンジン内のゴミを粗方キレイに掃除出来たと思われますので、
次のオイル交換まで調子の変化を観察しましょう。